行程管理票とは?フロン回収の流れを追う伝票をマニフェストと比べて解説

まずは「あるある」から

解体現場から出た業務用エアコンの室外機と一緒に、複写式の伝票を渡されて——「あれ、これマニフェストじゃないな」と気づいたことはありませんか。紙の色も、控えが何枚も重なった形も、関係者の間を回っていくところも、マニフェストによく似ている。でも書いてある項目が違う。行程管理票は、そんな「似ているけど別物」の代表格です。

行程管理票とは?ひとことで言うと

行程管理票とは、業務用エアコンや業務用冷凍冷蔵機器(第一種特定製品)からフロン類を回収する流れを、依頼から回収完了まで追いかけるための伝票です。フロン排出抑制法にもとづく仕組みで、廃棄物処理法のマニフェストとは別の法律から来ています。

流れをおおまかに言うと、こうなります。

この「依頼 → 回収 → 証明」の一続きを、複写式の伝票でつないでいるのが行程管理票です。

フロンは行程管理票、機器本体はマニフェストと、ひとつの機器から2本の書類の流れが分かれていく様子を示した図
同じ機器から、フロンの流れと機器本体の流れが別々に動く

現場ではどこで使う?

産廃の実務で行程管理票が出てくるのは、業務用エアコンや業務用の冷凍冷蔵機器を引き取る場面です。

収集運搬や中間処理の立場から直接この伝票を書くことは多くありません。ただし、フロン類の回収が済んでいることを引取証明書(またはその写し)などで確かめてから引き取るという決まりがあるため、行程管理票の最後に出てくる引取証明書は、受入の現場で確実に関わってきます。受け取った写しは3年間保存します。

なぜ大事なのか

フロン類は、そのまま大気に出ていくと温室効果の大きいガスです。機器の中に入ったままスクラップにしてしまうと、目に見えない形で放出されてしまいます。

だからこそ、「誰が、いつ、どの機器から回収したのか」を紙(または電子の記録)でたどれるようにしておく必要があります。行程管理票は、その足あとを残すための仕組みです。

具体例で見る

たとえば、飲食店の閉店に伴って天井カセット型のエアコンを撤去するとします。

  1. 店舗(廃棄等実施者)が回収依頼書を書き、第一種フロン類充填回収業者へフロン類の回収を依頼する
  2. 回収業者が現場でフロン類を回収し、引取証明書を店舗へ交付する
  3. 店舗は、フロンを抜いた室外機・室内機を産業廃棄物として処理業者へ委託する(委託契約とマニフェスト
  4. 処理業者は、受入のときに引取証明書の写しを確認し、3年保存する

解体工事に伴う場合は、解体工事の元請業者が工事の前に第一種特定製品の有無を確認し、その結果を発注者へ書面で説明します(この書面の写しも3年保存)。

つまり現場では?

行程管理票が動いているということは、その機器のフロンはきちんと回収される道に乗っているということです。逆に、引取証明書が出てこない機器は、まだその道に乗っていない可能性があります。

受入で「エアコンや冷凍機は入っていますか」と一言聞くのは、この伝票の流れが済んでいるかを確かめるためのひと声、と考えると分かりやすくなります。

知らないとどう困る?

いちばん多い困りごとは、マニフェストと役割が混ざってしまうことです。

行程管理票が追いかけているのは機器に入っていたフロン類、マニフェストが追いかけているのは機器本体(金属くず・廃プラスチック類など)です。追いかけている対象が違うので、片方でもう片方の代わりにはなりません。両方とも必要です。

また、保存期間も違います。引取証明書の写しは3年、マニフェストの控えは5年。同じファイルにまとめて綴じてしまうと、後で整理がしにくくなります。

よくある勘違い

明日やるならこれ

受入の記録を1件だけ開いて、「フロンの書類」と「産廃の書類」を別々の欄に分けて書いてみましょう。分けて書けた時点で、この2つはもう混ざりません。欄がなければ、受付票に「エアコン・冷凍冷蔵機器の有無」の一行を足すところからで十分です。

ひとことで言うと

行程管理票とは、フロン類の回収を依頼から証明までつなぐ、フロン排出抑制法の伝票であり、廃棄物処理法のマニフェストとは別に動くものです。

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