建設リサイクル法とは?分けて壊し、資源として再生することを求める法律をやさしく解説
まずは「あるある」から
解体工事の書類を前に、「建設リサイクル法の届出を出したから、産廃のほうはもう大丈夫だよね?」と口に出しかけて、ふと止まったことはありませんか。名前は知っているけれど、廃棄物処理法とどこが違うのかは意外と説明しにくい——建設リサイクル法は、そんな立ち位置の法律です。
建設リサイクル法とは?ひとことで言うと
建設リサイクル法とは、一定規模以上の建設工事について、資材ごとに分けて壊し(分別解体等)、分けたものを資源として再び使える形にする(再資源化等)ことを求める法律です。正式な名前は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」といいます。
ざっくり言うと、「壊し方」と「その後の資源としての行き先」についての法律だと考えると分かりやすいです。
対象になる資材は特定建設資材と呼ばれ、次の4つです。
- コンクリート
- コンクリート及び鉄から成る建設資材(鉄筋コンクリートなど)
- 木材
- アスファルト・コンクリート

現場ではどこで使う?
建物の解体工事や、大きな新築・増築工事に関わるときに出てきます。工事の規模が基準に当たると、発注者が工事着手の7日前までに都道府県知事等へ届け出る、元請業者が発注者へ計画を書面で説明する、工事後に再資源化等の完了を発注者へ書面で報告する、といった手続きが動きます。
収集運搬や中間処理の立場からは、「この現場の廃材は分別解体されて出てくるのか」「がれき類と木くずが分かれて積まれているか」という形で日々関わってきます。
なぜ大事なのか
建設工事から出る廃棄物は量が多く、まとめて壊してまとめて捨てると、そのほとんどが埋立に回ってしまいます。分けて壊せば、コンクリート塊は再生砕石に、木材はチップや燃料にと、資源として次へつなげられます。建設リサイクル法は、その流れを工事の入口の段階でつくるための法律です。
具体例で見る
たとえば、床面積100㎡の木造住宅を解体する工事は、建築物の解体で80㎡以上という基準に当たるため、対象建設工事になります。発注者は着工の7日前までに届出を行い、元請業者は分別解体の計画を発注者に説明し、下請にもその内容を伝えます。現場ではコンクリートの基礎と木材を別々の容器に分けて積み、それぞれの受入先へ運びます。工事が終わったら、元請業者が再資源化等の完了を発注者へ書面で報告します。
一方、60㎡の住宅の解体なら、建設リサイクル法の届出は必要ありません。ただし、そこから出るがれき類も木くずも産業廃棄物ですから、委託契約とマニフェストは通常どおり必要です。
つまり現場では?
建設リサイクル法を意識するということは、廃材が出てくる前の段階、つまり「どう壊すか」の計画から関わるということです。分けて壊してもらえれば、運ぶ側も処理する側も仕事がしやすくなります。
知らないとどう困る?
いちばん多い困りごとは、廃棄物処理法の手続きと混ざってしまうことです。「届出を出したからマニフェストはいらない」「規模が小さいから何もいらない」という思い込みは、どちらも成り立ちません。届出は建設リサイクル法、委託契約とマニフェストは廃棄物処理法。根拠にしている法律が違うので、片方で片方を代わりにすることはできません。
また、届出の名義は発注者なので、「元請が出すもの」と思い込んでいると、着工直前に慌てることがあります。
よくある勘違い
- 「建設リサイクル法の届出を出せば、産廃の書類は省ける」と思いがちですが、委託契約もマニフェストも別に必要です。
- 「届出は元請が出すもの」と思いがちですが、名義は発注者です(自主施工の場合はその施工者)。
- 「小さい工事は建設リサイクル法の対象外だから、廃棄物の手続きもいらない」と思いがちですが、廃棄物が出るなら廃棄物処理法の手続きは要ります。
- 「リサイクルに回すものは廃棄物ではない」と思いがちですが、有価物でない限り廃棄物として扱います。
明日やるならこれ
いま動いている解体・改修の案件を1件だけ開き、「建設リサイクル法の対象か」と「産廃の委託契約・マニフェストはそろっているか」を、別々の欄に分けて書いてみましょう。分けて書けた時点で、混ざりようがなくなります。
ひとことで言うと
建設リサイクル法とは、一定規模以上の工事について「分けて壊し、資源として再生すること」を求める法律で、廃棄物処理法の手続きとは別に動くものです。





