
ガラス・コンクリート・陶磁器くずの分別|がれき類との違いと再生
工場の改装で外した窓ガラス。検査ではねたコンクリート製品。トイレの入れ替えで出た便器や手洗い器。 どれも「割れた硬いもの」なのに、いざ出そうとすると「これ、がれき類だっけ? ガラスくず…でいいのかな」と、伝票の前で手が止まることはありませんか。
品目の名前が似ていて迷うのは、とても自然なことです。 この記事では、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(現場では「ガラ・コン・陶」とまとめて呼ばれることもあります)について、がれき類との分かれ目と、再生に回しやすい分け方を、確認しやすい順に整理します。
結論:「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」は、業種を問わず産業廃棄物になる品目で、板ガラスやびん、陶磁器、コンクリート製品のくずなどが入ります。いちばんの分かれ目は出どころで、同じコンクリート片でも工作物の新築・改築・除去(解体や工事)から出たものは「がれき類」、それ以外(製品の製造工程や、製品として使い終えたもの)は「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」になります。現場ではガラス/陶磁器/コンクリートくずを素材ごとに分け、混じり物を抜いておくと、再生に回しやすくなります。
迷ったときは、次の順で確かめると整理しやすくなります。
- 出どころを見て、がれき類と取り違えていないか確かめる
- ガラス・陶磁器・コンクリートくずを素材ごとに分ける
- 受入で止まりやすい混じり物を抜く
- 許可証・契約書・マニフェストの品目をそろえる
何が起きているか|「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」に入るもの
まず、この品目に入る代表的なものを並べてみます。
- ガラスくず:板ガラス、割れた窓ガラス、ガラスびん、ガラス繊維くず(グラスウールなど)
- 陶磁器くず:便器・洗面器などの衛生陶器、食器、タイル、レンガ、耐火れんが
- コンクリートくず:コンクリートブロックや二次製品の製造工程で出た不良品・端材、使い終えたコンクリート製品
- その他:廃石膏ボードやロックウールなども、この品目に含まれます
つまずきやすいのは、がれき類と名前も見た目も近いことです。
- がれき類:工作物(建物・道路・構造物など)の新築・改築・除去にともなって出たコンクリートの破片など。つまり解体・工事の現場から出たがら。
- ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず:上記以外から出たもの。たとえば工場で出た製品くずや、事業所で使い終えたガラス・陶磁器製品など。
同じ灰色のブロック片でも、建物の解体で出れば「がれき類」、ブロック工場の不良品なら「コンクリートくず」です。 タイルやレンガ、衛生陶器も、解体・改修工事にともなって出る場合は、自治体によってがれき類として扱う運用もあります。迷うものは、出どころを書き添えて、処理業者や許可を出している自治体に確認するのがいちばん確実です。
がれき類の分け方そのものは、がれき類の分別|コンがら・アスがら・土砂の分け方と再生の流れにまとめています。品目の全体像を見たいときは、産業廃棄物20種類の分類を現場で迷わない早見表を横に置いておくと安心です。
具体例|素材ごとに分けると、行き先が見えてくる

同じ品目でまとめて出すこともできますが、素材ごとに分けておくと、再生の行き先がぐっと見えやすくなります。
ガラス
- 板ガラスやびんは、色や種類をそろえて砕くとカレット(ガラスの原料)として、ガラス製品やグラスウールの原料、路盤材などに回る道があります。
- 網入りガラス・合わせガラス・鏡などは、中に金属やフィルムが入っているぶん扱いが変わることがあります。普通の板ガラスと分けておくと話が早くなります。
- 割れたガラスは、運ぶ人・受け取る人のけがにつながりやすいものです。丈夫なかごや箱にまとめて、割れ物とわかるようにしておくと、現場がずっと安全になります。
陶磁器
- 便器・洗面器・タイル・食器などは、砕いて再生骨材や路盤材に回る道があります。
- 便器や洗面台は、金具・樹脂の部品・配管の残りが付いたままになりがちです。外せる範囲で外しておくと、受け入れてもらいやすくなります。
コンクリートくず
- 製品くずのコンクリートは、がれき類のコンがらと同じように、破砕して再生砕石に回る道があります。
- ただし品目としては別です。がれき類の許可しかない業者には出せない、ということが起こりえます。
どこまで分ければ再生に回せるかは、処理業者の設備によって変わります。契約の前に「どう分けて出せば受けてもらえますか」と一度聞いておくと、あとの手戻りがぐっと減ります。
影響|受入で止まりやすい混じり物
この品目で受入が止まりやすいのは、次のような混じり物です。積み込みの前に、一度だけ目で見ておきましょう。
- 石綿(アスベスト)を含むおそれのあるもの:古いスレート板や成形板、一部のタイルなど。判断に迷うものは、混ぜる前に止めて別にするのが原則です。見分け方は石綿含有廃棄物の分別と運搬|2つの区分の見分け方にまとめています。
- 蛍光管や水銀を使った製品:見た目はガラスでも、扱いが別です。廃蛍光管は普通の産廃と一緒でいい?水銀製品の分け方をあわせて確認してください。
- 廃石膏ボード:同じ品目に入りますが、水に濡れると硫化水素が出るおそれがあり、埋立の方法も限られています。ガラスや陶磁器とは分けて出すのが基本です。詳しくは廃石膏ボードの分別と受入れ、現場で迷わないための確認ポイントへ。
- 中身が残ったびん:薬品や油が残っていると、別の品目(廃油・廃酸など)が混ざった扱いになることがあります。中身を抜いてから出すと安心です。
- 木くず・廃プラ・金属:サッシの付いた窓ガラス、樹脂部品付きの衛生陶器など。外せるものは外し、外せないものはそのまま出してよいか処理業者に確認しておきます。
混じり物を「全部ゼロに」は現場では難しいものです。まずはいちばん量の多いものを一つ抜くところからで十分です。考え方は混合廃棄物を減らす現場分別のコツと容器の決め方が参考になります。
書類をそろえる|許可証・契約書・マニフェスト
現場で丁寧に分けても、書類の品目がずれていると手戻りになります。最後に、ここをそろえます。
- 許可証の品目欄:「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」があるか。がれき類とは別の品目なので、両方を扱うなら両方の記載が要ります。品目欄の「(石綿含有産業廃棄物を含む)」などの但し書きもあわせて見ておきましょう。読み方は産廃許可証の見方|事業の範囲と「限定」条件、確認したい3か所にまとめています。
- 委託契約書:産業廃棄物の種類欄が、実際に出すものと一致しているか。
- マニフェスト:種類欄が契約と同じになっているか。割れ物は重さと見た目の量が合いにくいので、数量の単位(t/m³/個)を処理業者とそろえておくと差異が出にくくなります。単位の考え方はマニフェストの数量、t・m3・kgの使い分けと換算で迷わない考え方を参考にしてください。
明日やること
明日できる一歩は、許可証1枚と、置き場のかご1つの確認です。
- 委託先の許可証を開いて、「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」と「がれき類」が、それぞれ載っているかを見る。
- 置き場をのぞいて、ガラスと陶磁器とコンクリートくずが同じ山になっていないかを見る。混ざっていたら、次の分からガラス用のかごを1つ分けるだけでも十分です。
- 迷っているものが一つあれば、出どころをメモして、処理業者に「これは何の品目で出せばいいですか」と聞いてみる。
現場で使えるチェックリスト
- そのくずの出どころ(解体・工事か、製造工程・使用済み製品か)を確認した
- がれき類と「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」を区別できている
- ガラス/陶磁器/コンクリートくずを素材ごとに分けている
- 割れたガラスは丈夫な容器にまとめ、割れ物とわかるようにした
- 便器・洗面器などの金具や樹脂部品を、外せる範囲で外した
- 石綿を含むおそれのあるものは止めて、別に確認した
- 蛍光管・廃石膏ボードを混ぜていない
- 中身が残ったびんは、中身を抜いてから出している
- 許可証の品目欄に、扱う品目がそれぞれ載っている
- 委託契約書・マニフェストの種類欄が実際の品目と一致している
- どう分ければ受けてもらえるか、処理業者に確認した
最後に

「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」は名前が長く、がれき類とも似ていて、迷うのが当たり前の品目です。 それでも、出どころを見る・素材で分ける・混じり物を一つ抜く——この3つが頭に入れば、もう十分に前へ進めています。
伝票の前で立ち止まって確かめようとしたこと自体が、誠実な仕事の証です。 全部を今日整えなくて大丈夫。まずはガラス用のかごを一つ分けるところから、一緒に始めてみましょう。