
産廃許可は県と政令市どちらに申請?管轄の見分け方
「この許可、県に出すんだっけ。それとも政令市の窓口だったかな」。 新しく許可を取ろうとしたときや、いつもと違うエリアの案件が入ったとき、申請先で手が止まることはありますよね。
産廃の許可は、「収集運搬か処分か」「積替え保管をするか」「政令市が絡むか」という3点で申請先が変わります。 ここは制度がやや入り組んでいて、迷うのはあなたの理解不足のせいではありません。 この記事では、どこに出せばいいのかを見分ける、いちばん大きな分かれ道から一緒に整理していきます。
結論:積替え保管をしない収集運搬業の許可は、その都道府県の知事に申請します(産廃許可の権限を持つ市=政令市が域内にあっても、収集運搬だけなら県の許可でまとまります)。一方、処分業(中間処理・最終処分)と、積替え保管をする収集運搬業は、その施設・保管場所の所在地で見て、政令市の区域内なら政令市長、それ以外なら都道府県知事に申請します。最終的な窓口・様式は、申請先の自治体に必ず確認してください。
迷ったときは、次の順番で見ると流れがつかみやすくなります。
- 取りたいのは「収集運搬」か「処分」か
- 収集運搬なら、途中で「積替え保管」をするか
- 処分・積替え保管があるなら、その施設・保管場所は「政令市の区域内」か
この3つが見えてくれば、まず大きな不安はやわらぎます。
何が起きやすいか
この手続きでいちばん多いのは、「政令市の区域だから、収集運搬もぜんぶ市に出さないといけない」と思い込んでしまうケースです。 実は、積替え保管をしない収集運搬業の許可は、政令市が絡んでいても都道府県知事の許可にまとめられています。ここを知らずに市の窓口へ行き、案内し直されて二度手間になる、というのがよくあるつまずきです。
逆に、処分業や積替え保管ありの許可では、施設のある場所が政令市の区域なのに県へ出してしまい、こちらも案内し直しになることがあります。
つまり大切なのは、「収集運搬(積替えなし)」と「処分・積替えあり」で、申請先の考え方が別ものだと分けて見ることです。 ここさえ押さえておけば、窓口を行き来する回数をぐっと減らせます。
収集運搬と処分で分かれ道が変わる

考え方は、まず大きく2つに分けるところから始めます。
- 収集運搬業(積替え保管なし)→ 都道府県知事の許可
(政令市が区域内にあっても、県の許可にまとまります)
- 処分業・積替え保管ありの収集運搬 → 施設や保管場所の所在地で判断
(その場所が政令市の区域内なら政令市長、それ以外なら都道府県知事)
ここでいう「政令市」とは、産廃許可の事務を県から任されている市のことです。政令指定都市や中核市などが当たりますが、どの市が該当するかは地域によって違うので、後で確認します。
この「まず収集運搬か処分かで分ける」という線を先に引いておくと、あとの判断がぐっと楽になります。
手順を小さく分けて見る
1. 取りたい許可が「収集運搬」か「処分」かをはっきりさせる
いちばん最初にすることは、いま取ろうとしている許可が収集運搬業なのか、処分業(中間処理・最終処分)なのかを書き出すことです。 両方を扱う会社では、許可も別々です。まず「今回はどっちの許可の話か」を一つに絞ると、申請先が見えやすくなります。
2. 収集運搬なら「積替え保管をするか」で分ける
収集運搬の許可を取る場合、途中で産廃を一時的に降ろして積み替える「積替え保管」をするかどうかで扱いが分かれます。
- 積替え保管をしない:その都道府県の知事に申請します。政令市が区域にあっても、収集運搬だけなら県の許可でまとまります。運ぶ範囲については、積む場所・降ろす場所それぞれの都道府県の許可がいる点は変わりません。
- 積替え保管をする:その保管場所の所在地を管轄する自治体(政令市の区域なら政令市長、それ以外なら都道府県知事)の、積替え保管を含む許可が必要です。
どの都道府県の許可がいるか(積む場所・降ろす場所の考え方)は、複数の自治体をまたぐ収集運搬の許可の見分け方もあわせて見てみてください。
3. 処分・積替え保管は「施設が政令市の区域か」を確認する
処分業や積替え保管ありの許可は、その施設・保管場所が置かれている市区町村が、政令市の区域に入っているかを確認します。
調べ方はシンプルです。施設のある市の名前で「(市名) 産業廃棄物 処理業 許可 申請」と検索し、市の窓口が申請を受け付けているか、それとも県の窓口へ案内しているかを見ます。市が受け付けていれば、その市が産廃許可の権限を持つ政令市、という整理になります。判断に迷うときは、施設のある市の環境部門へ一本電話するのがいちばん確実です。
4. 申請先が決まったら、様式と手数料をその窓口で確認する
申請先が県か政令市かで、申請書の様式・手数料・添付書類が変わることがあります。 たとえば同じ収集運搬の許可でも、A県とB県で書式が違うのはよくあることです。申請先を決めたら、その自治体の公式サイトから最新の様式一式をダウンロードして、必要書類のページだけ先に開いておくと、次に動く準備が整います。
期限・費用の目安メモ
- 審査期間:新規の許可は、申請から許可までおおむね2〜3か月かかることが多いです。処分業は施設の審査も入るため、さらに時間を見ておくと安心です。
- 手数料:収集運搬業(新規)の申請手数料は8万1千円が一つの目安ですが、更新や品目追加、処分業では金額が変わります。県か政令市かでも扱いが違うことがあるので、申請先ごとに確認してください。
- 様式:申請書の様式・添付書類は自治体ごとに異なります。金額・書式は、申請先の公式サイトや窓口で最新版を確かめましょう。
明日やること
明日できる一歩は、とてもシンプルです。 いま取りたい許可を一つ選び、紙に「①収集運搬 or 処分」「②積替え保管 あり or なし」「③施設のある市」の3行を書き出してみてください。 そのうえで、③の市の名前で「(市名) 産業廃棄物 許可 申請」と検索し、市の窓口が出てくるか、県へ案内されるかを見る——ここまでで、申請先の見当がつきます。
申請先を見分けるチェックリスト
- 最低ライン(今日中):取りたい許可が「収集運搬」か「処分」かを一つに絞った
- 収集運搬の場合、途中で「積替え保管」をするか・しないかを確認したか
- 積替え保管をしない収集運搬は、都道府県知事に申請すると整理できたか
- 処分・積替え保管ありは、施設・保管場所の所在地で申請先を見ると整理できたか
- 施設のある市が「政令市(産廃許可の権限を持つ市)の区域」か確認したか
- 判断に迷う場合、施設のある市の環境部門へ問い合わせたか
- 申請先を決めたあと、その窓口の様式・手数料・添付書類を最新版で確認したか
- 新規は審査期間(目安2〜3か月)を見込んでスケジュールを引いたか
よければ、こちらも
許可の期限管理とあわせて整えたいときは、産廃の許可更新で慌てないための確認の順番もあわせて見てみてください。
最後に
「県か市か」は、制度に慣れていないと身構えてしまう分かれ道です。 でも、まず「収集運搬か処分か」で分けて、次に「積替え保管があるか」「施設が政令市の区域か」と一つずつ問い直せた時点で、もう半分は前に進んでいます。

今日すべてを片づけなくて大丈夫です。収集運搬か処分かで分けて、出す先の見当がついたなら、それはもう手続きが動き始めています。 焦らず、ひとつずつ進めていきましょう。